2026 年 9 月 3 日 スモールビジネスの道具箱 Mirais チーム 読了 約 3 分

人は「何を買うか」より、「誰から買うか」で選んでいる。

この記事の目次

カウンターで仕事をするお店の人

デザインの担当をしています。

連載の第4回は、プロフィールページ。メニューでも値段でもなく、あなた自身のページの話です。

デザインのご相談で、いろいろなお店のページを拝見します。写真がきれいで、メニューが整っていて、値段も明快。それでもご予約が伸びないページには、共通して足りないものがあります。それは色でも余白でもなく、「人」です。ページのどこを探しても、作っている人の顔が見えない。声が聞こえない。きれいなのに、誰もいないお店みたいなのです。

人は「誰から買うか」を見ている

大きなお店は、値段やポイントや品揃えで選ばれます。小さな商いは違います。同じメニュー、同じくらいの値段のお店が並んだとき、お客様が最後に見るのは「この人にお願いしたいかどうか」。

考えてみれば、私たちも同じ選び方をしています。美容室を変えるとき、子どもの習いごとを選ぶとき、口コミの星の数と同じくらい、「先生の人柄が良さそうで」を決め手にしていませんか。小さな商いは、人で選ばれる。だとしたら、その「人」が載っていないページは、一番の売りを隠して戦っていることになります。

完璧な経歴より、始めた理由

プロフィールと聞くと、資格や経歴を並べたくなります。もちろん資格は大事です。安心の裏づけになります。でも、人の心が動くのは、そこではありません。「なぜ、この仕事を始めたのか」のほうです。

祖母の手を借りて始めた話。自分自身が救われた経験。悔しくて眠れなかった夜のこと。立派である必要はまったくなくて、むしろ少し不器用なくらいの物語に、人は共感します。読んだ方の中で、あなたが「お店」から「人」に変わる瞬間です。

そして写真を1枚。プロの宣材写真でなくていいのです。お顔が写っているもの。照れくさければ、お仕事をしている後ろ姿や、手元だけでも。光のきれいな午前中に、作業場で撮った1枚は、それだけで空気まで伝えてくれます。顔の見えないお店の扉は、初めての方には重たいものですから。

書けない方のための、小さな型

「物語と言われても、うちは普通に始めただけで」という方へ。型をひとつ置いておきます。3つの問いに、1行ずつ答えるだけです。

前は何をしていたか。なぜ今の仕事に変わったか(または続けているか)。お客様のどんな瞬間が、いちばん嬉しいか。

「前は事務員でした。母の介護で手のこわばりに悩んだのが、ハンドケアの道に入ったきっかけです。お客様の手がふっとゆるむ瞬間が、何より好きです」。ほら、3行で、もう物語です。劇的である必要はありません。本当のことが、いちばん強いのです。

デザイン担当のひとりごと

プロフィールページは、飾らないほうが美しく仕上がります。物語と写真が主役なので、色数を絞って、余白をたっぷり。書体もページの他の場所と揃えるだけ。凝った装飾は、かえって人柄を隠してしまいます。

いちばん丁寧に整えてほしいのは、レイアウトではなく言葉のほうです。読み終わったとき、会ったことのないお客様の中に「この人、たぶんこういう人だ」という輪郭が残るかどうか。それがプロフィールページの仕上がりのすべてです。

学びはひとつ。「あなたが商品の一部」

小さな商いでは、あなた自身が商品の一部です。腕前も、こだわりも、あなたという人を通してお客様に届きます。それを載せる場所が、プロフィールページ。恥ずかしがって省略するのは、一番の強みをしまい込んだまま店を開けるようなものです。

今日の一歩

「なぜこの仕事を始めたか」を、3行だけ書いてみてください。上手に書けなくて大丈夫。むしろ、上手じゃないほうがいい。その3行が、ページの心臓になります。

次回は、いよいよ「ホームページ」の話。ここまでの1枚ものたちと、何が違うのでしょうか。

M
Mirais チーム
デザインの担当
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